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薬剤師として薬局で勤務していた時、ある患者さんが2週間毎薬局に来られていました。 その患者さんが投薬のたび 「この薬の副作用は何がありますか?」と、言う質問を毎回されるのです。 新しい薬が追加されていなくても、 同じ人が投薬しても、 違う人が投薬しても、 毎回同じ質問をされるのです。そう!毎回です。 私も何回かこの質問に当たりました。 「特に重篤な副作用の記載はありませんが、個人差があるので違和感があれば教えてください」 「ありがとうございました。安心して服用できます」と言って帰宅されました。 しかし、次回来局時には同じ対応繰り返されます。 「どうすれば、この患者さんが納得してくれるのだろう」 そんな思いを募らせていました。 そしてその患者さんが来局する日に、その日は私が投薬の担当でした。 「あ~またあの質問が・・・」と思った時にコーチの一言を思い出しました。 「目の前の人が話しているのは、その人の命が話していると思って聴きなさい」 あっ! 患者さんが質問を聞きながら、その答えを考え始めている! 音として聞いているけど、その人とその場に『一緒にいない』 身体はそこにいるけど、私自身はいない。 その日はただ『聴く』ことに徹してました。 最後まで患者さんの話すことをただ『聴く』 そして聴ききった後に私の中に出て来た言葉は前回と同じでした。 その出て来た言葉を患者さんに伝えて投薬は終わりました。 何も変わらなかったと思っていましたが・・・ その患者さんから同じ質問はその後出なくなりました。 私たちは相手から何か訊かれた答えを探し始めます。 その瞬間から相手と一緒にいない状態になります。 一緒にいないことを相手は気づきます。 だから聴いてもらえていないのだから、 聴いてもらおうと何度も同じ話を繰り返すんです。 今あなたが何度も同じ話を聞くことが続いていたら、 是非『一緒にいる』ことに意識を向けてみませんか? ただ聴くだけかもしれませんが、何かが変わるかもしれません! 『人が話しているのは、その人の命が話していると思って聴いてみてください』
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